セミナーってなにをするの?

 セミナーとは、授業などの総称で聞く「ゼミ」と同じです。もともとはドイツ語で、簡単にいえばドイツ語の「ゼミナール Seminar」の英語読みなんですね。
そして、このセミナーはもちろん助産師や看護師向けにも行われています。行っているのは、助産師であれば(公社)日本助産師会や地方自治体などといった団体で。
その内容は先輩助産師や産婦人科医などといった方が講師になり、その下で指導を受けたり、勉強をしたり、実習をするなど本当に学校の授業を受けているようです。
また、助産師とは何か、看護の意義とは何かなどを考えるため、生徒となる助産師同士でディスカッションをする場としても利用する事が出来ます。

特に、助産技術の向上に向けたものとして行われる実習は、分娩介助や母体のケア、緊急時の蘇生措置など即実践出来るものばかりとなっています。
病院、助産院という場所だけでなく、周産部やNICU(新生児特定集中治療室)といった部署の仕事によってもその仕事内容は大きく変わります。
多様なる分野の助産師や産婦人科医師、看護師達が関わり合い、情報交換をする事が技術向上につながるのだといえるのかもしれません。
このセミナーというのは、基本的には任意参加になっています。しかし、自身の技術向上や安心・安全な出産を図る為には、是非何回でも受けていただきたいものです。
安心・安全を語る理由の大きな要因としては、やはり破滅的な助産師不足と産婦人科の相次ぐ閉鎖があると思います。
そして、その元を辿れば、出産方法の多様化や産前産後ケアサービス充実化が関係しているのです。出産はお金がかかるもの、そればかりはどうにもなりません。だからこそ、世の中のお母さんは少しでも痛くなく、少しでも快適な出産をしようと個人助産院の利用や自宅出産を試みるのだといいます。
 しかし、助産師にだって限界はあります。妊産婦が十人十色のように、出産もこれまた十人十色。みんながみんな安産というワケではありませんし、みんながみんな無事に産まれてきてくれるという事もありえません。実際、自宅出産を試みて死産や母子の容態が急変、救急車でたらい回しという事はままある事だといいます。
 助産師はこれから産まれてきてくれる命と共に、今いる命も支えなくてはならない存在。だからこそ、こういったセミナーにこぞって参加する事が望ましいのだといえるでしょう。